Jヴィレッジを出発した聖火リレーの第1走者は、女子サッカー「なでしこジャパン」の面々だった。
誰でも知ってるこの愛称、2004年のアテネ五輪の前に公募で名付けられた。わたしも面白半分で「さくらジャパン」という名前を応募した記憶がある。
「なでしこジャパン」は、2011年のFIFA女子ワールドカップで優勝し、名前が流行語大賞に。これで「ほにゃらかジャパン」ブームにも弾みが付いたみたい。
野球の「侍ジャパン」、競泳チームの「トビウオジャパン」、新体操の「フェアリージャパン」あたりはよく知られている。フェアリーは妖精という意味だ。そして、アーティスティックスイミング(3年前までシンクロナイズドスイミング)の「マーメイドジャパン」は人魚という意味で、まあ直球なネーミング。
だが、「ほにゃらかジャパン」がこうも多いと、変化球を投げるチームも現れる。女子ハンドボールの「おりひめジャパン」、女子野球の「マドンナジャパン」、男子ボクシングチームの「阿修羅ジャパン」などは、おおお、かっ飛ばしてるなぁ! と思う。
あ、「さくらジャパン」も、女子ホッケーの愛称に採用されていて、わたしもひと安心。(自分が応募したわけではないけれど。)
一方で、「ほにゃらかジャパン」以外の鉱脈を掘り進んだ競技もある。男子バレーは「龍神NIPPON」、女子バレーは「火の鳥NIPPON」、卓球チームは「卓球NIPPON」と命名された。これは、応援の手拍子がしやすそうだ。
そりゃないだろうと思うような愛称でも、活躍すればカッコよく見えてくる。「ドヤ顔ジャパン」などという愛称のチームは、今のところないけれど、呼ばれた時の恥ずかしさも、語呂の微妙さも乗り越えて、ドヤ顔で勝利をもぎ取ってほしい。
=2021年4月23日掲載=