街でよく見る定食チェーンの店先に、おいしそうな野菜炒めの写真が掲げられていた。なんと、そのお肉は大豆ミート。期間限定メニューと書いてある。
あらら、あいにく今はおなかがいっぱい。できたら食べて見たいところだったけれど、一体いつまで?
てなことを考えながら次の角を曲がると、今度は有名なファストフードの店頭メニューに、大豆ミートのハンバーガー! およよ、とうとう時代がわたしに追いついた?
というのも、実は、わたしは数年前から「なんちゃってベジタリアン」になっているのである。
さほど厳格ではないものの、都心でベジタリアンのお店を探すのは難しく、お腹をすかせてフラフラさまよったことも数知れず。だから、こんな風に大型チェーンが大豆ミートメニューを扱うようになったのを見ると、ついにこんな日が来たのかぁ〜と、ちょっぴり感慨にふけってしまった。
さて、その翌週のお昼時、同じ道を通ったので、勇んで先週の定食屋さんに足を向けた。幸い、期間限定メニューはまだ営業中。
運ばれてきた料理を口に入れると、あらま、残念。野菜炒めの味付けはいいが、お肉が思いっきりやわらかい。あのお肉特有のガツンとした歯ごたえは皆無で、これが大豆ミートの限界かぁ〜と、がっくりきてしまった。まだまだ課題はある。でも、一歩前進ってことで。
大豆ミートは健康にいいだけでなく、将来の食糧不足への救世主として、欧米ではすでに広く普及している。出先で気軽に食べられるようになるのは、誰にとっても悪いことではない。応援の意味も込めて、期間限定の間に、もう一度トライしてみようかなと思った。
=2022年7月8日掲載=