4年後、日本女性の2人に1人が、50歳以上になると言う。
昨年末、某コスメ会社の新商品発表会をのぞいていたわたしは、その話を聞いて腰を抜かした。4年後、道行く女性に向かって石を投げると、5割の確率で50歳以上の女性に当たるってこと?
自分が投げた石に当たってしまいそうなわたしは、一抹の疑問符が拭えず、国が発表している人口統計資料までさかのぼって、真偽の程を調べてみた。すると確かにその通り。ただし、男性については、まだ少しだけ猶予があるようだ。
少子高齢化の波を、頭ではわかっていた。2050年までに人口が3000万人も減ってしまう。つまり東京と神奈川と埼玉の人口を合わせたくらいの人口が日本からいなくなることも、知っているつもりだった。だが、たった4年後、しかも2人に1人が50歳以上になるという線引きのわかりやすさには脱帽。
この先、テレビの討論番組等でも、「では若い人の意見を聞いてみましょう?」と司会者が49歳の人を指名したり、その意見に対して、「若者は甘い!」と識者が怒り出しちゃったりするのだろうか…。
日本地図を作り上げた伊能忠敬が、50歳を過ぎてから江戸に出て、測量の勉強をスタートしたエピソードはあまりにも有名。それが特別な人の偉業ではなくなるということなのだろう。老後の意味や基準が明らかに変わり、老後って何?と言うような時代が、やって来るのかもしれない。
励まされているのか、プレッシャーを掛けられているのか、微妙なところであるが、前向きに考えないとね。
このような数字やデータの中にも、人生に勇気をくれる種が、きっと、ひそんでいるのだから。
=2015年2月3日掲載=