皆さんは「なおエ」という言葉をご存じだろうか。ネット上のスラングで、「なお、エンゼルスは敗れました」の略らしい。
大谷翔平選手が所属するエンゼルス。わたしも応援しているこのチーム、スタートダッシュは良かったものの、5月の途中から大失速。あれよあれよという間に14連敗。球団ワースト記録を更新してしまった。
6月22日のロイヤルズ戦では、大谷選手が2ホームランと8打点をマークしたのに、肝心の試合は12対11でエンゼルスの負け。
8月5日のアスレチックス戦では、6人で7本のホームラン(大谷の2本を含む)をかっ飛ばしながら、試合は8対7で負け。
8月16日のマリナーズ戦では、先発の大谷投手が6回2失点の力投で降板した後に、悪夢のようなできごとが起こった。
2対2の同点で迎えた9回1死1塁から、ワンバウンドのボールを弾いた捕手が、1塁ランナーも走ってないのに、なぜか2塁に向かって大暴投。盗塁と四球で1死1、3塁へとピンチを広げた後、バッターが2ゴロを打ち、飛び出した3塁ランナーを3塁手と捕手が挟んだが、誰もホームのカバーに入らない。あたふたしている間にランナーがホームイン。わたしは画面の前であんぐり。思わずアゴがハズれかけた。
その後も捕手がショートからの送球を落とすわ、3塁手がコケるわ、ドタバタ喜劇のようなミスを連発。試合は6対2でエンゼルスの負け。
「大阪桐蔭の方がウマいぞ!」とヤジを飛ばした野球ファンが、日本中に何千人といたに違いない。
そんなエンゼルスのレギュラーシーズンだが、泣いても笑っても、あと半月。きっと、胸躍るドラマとトホホすぎる「なおエ」が待っているのだろう。
わたしは、あの日のアゴがまだ痛い。
=2022年9月23日掲載=