「Hanako世代」というマーケティング用語をご存知だろうか。1959年~64年生まれで、現在51~56才の人たちを指す。彼らが20代だった1988年に創刊した、雑誌の名前から付けられた。
女性はワンレン・ボディコン、男性はデザイナーズブランドのスーツで街を闊歩し、「バブルの申し子」と言われた。芸能人なら、松田聖子、黒木瞳、中井貴一、佐藤浩市らがこの世代。
そんな「Hanako世代」という言葉が、最近、仕事の打合せにちょいちょい登場する。各企業が、消費好きで欲張りな彼らに、再び注目しているのである。
実はわたしも「Hanako」の端くれ。しかし、世代なんて何よ?と、つねづね思っているので、しらを切っていた。だが先日、若いマーケッターに「有理さん、くるくるドライヤー使ってます?」と聞かれて、不覚にもうなずいてしまった。すると「は〜ん『Hanako世代』なんですね!」と見抜かれてしまったのだ。どうやら、若い世代では、くるくるドライヤーではなく、ヘアアイロンを使う人の方が主流らしい。
そんなわたしが、最近、愛するくるくるドライヤーの、新たな使い方を発見した。
起き抜けに、首の後ろの、背骨が少し飛び出た、大椎(だいつい)というツボに温風を当てながら、ブラシでシュッシュッと刺激を与える。と、寝ている間に冷え切っていた体が、ぽかぽか温まってくるのだ。
綾小路きみまろ風にいえば、「昔、ぶりっ子。今、冷え症」であろうか?
まさか、20代の頃、聖子カットの前髪を作るために愛用した美容器具を、健康器具として使う日が来るなんて…。
これって、イケイケだった「Hanako世代」が、やっと落ち着いたという事で、よろしいだろうか。
=2016年2月2日掲載=