初ランは、新春5日の「市川・江戸川河川敷(かせんしき)マラソン」だった。お雑煮を食べながら突然ムラムラして、急きょエントリーしたのである。
当日、現地に到着すると、すでに30kの部がスタートしていた。先頭を走る女性ランナーのフォームがすてき。
腕に巻き付けたチップでタイムが計測できる大会ということで、結構、上級ランナーも参加しているみたい。
その後、準備運動などをして、わが5kmの部も、10kmの部と同時にスタート。
わたしは、江戸川越しの富士山を眺めながらの、キョロキョロ走法。ぜんぜん寒くはないが、川べりの空気が乾いているせいか、だんだん喉がヒリヒリしはじめた。
折り返し地点は、江戸川大橋のたもと。「ガンバレ、あと2.5km!」という声援を受けながら、給水を。
復路は、強まる向かい風にあおられて飛びそうになる帽子を片手で押さえながらの、ドタバタ亀走法。
驚いたのは、そんなわたしを風よけにしてくる女性ランナーがいたことだ。
最初はうっとうしくて、わざとスピードを上げてみたりしたが、すぐにまたピタッと後ろに引っ付いてくる。
だが人間とは不思議なもので、生身の人間の息づかいをそばで感じているうちに、情が移るとでもいいましょうか。自然にガッツが湧いてきた。その結果、5kmの自己ベストタイムを約3分短縮してゴールイン!
同時に、背後霊も一緒にゴールイン!?
と思って振り向くと、なぜか彼女はクルリと折り返し、ちゃちゃっと逆向きに走り去っていくではないか。なぁんだ、10kmレースのランナーだったのね。そんじゃガンバレ! そちらは、もう一往復。
さみしいような、うれしいような、そんな初ラン。
さあ、2020。お雑煮の餅のように、せいぜい粘ってまいりましょうか。
=2020年1月10日掲載=