3年前に朝ランをはじめてから、時間の使い方がガラリと変わった。早朝、足取り軽く走りだすためには、早寝早起きにシフトする必要がある。
それは長い間、仕事の集中のピークを、午前2時くらいに置いてきた生活の、天と地をひっくり返すようなこと。夜の仕事を減らすと、昼間の仕事が増える。はて、さて、どうしよう?
この悩みを解決してくれたのは、最近、都内で急速に増えた、パブリック・スペースの存在だった。
打合せと打合せの間の移動中に、ちゃちゃっと腰を下ろして、パパッとノートPCを広げられる場所。何てったって、無料で、センスがよくて、すぐに仕事に没頭できる場所!
以前は見つけるのに苦労したそんな空間が、ラッキーなことに、最近、都心の高層ビルの低層階に、次から次へと出現している。
それでは、この夏、お気に入りの仕事場&穴場をご紹介しよう。
目黒駅前「目黒セントラルスクエア」の1階には、10脚ほどの石づくりのチェアがランダムに置かれている。座った瞬間ひんやりとするその感触で、仕事がはかどること請け合いだ。
今秋、グーグルが入居する予定の「渋谷ストリーム」の3階は、手入れされたグリーンと高級ソファが並んでいる。涼しい風も吹き抜ける。渋谷のおすすめスポット、No.1である。
空間使いがゴージャスで、ベンチの数が多いのは「京橋エドグラン」。開放感があって、壁際には寝心地のよさそうなソファまで設置されている。このソファは、睡眠不足の現代人への気配りと考えてもよさそうだ。
時代は「働き方改革」真っただ中。わたしは会社員ではないけれど、無料で自由に使える、一期一会の仕事場には、ワクワクする。
このような空間が、長い間、会社のデスクに日本人をつなぎ止めていた錆(さ)びた鎖を解き放つ、一つのきっかけになるのかも?
そんな気がする、午後3時。
=2019年9月27日掲載=