先週、強い風の日。銀座通りを、新橋から4丁目に向かって歩いていった。
あらら…と気が抜けるほど、街がすいている。
いつもなら、路肩に列をなしている大型バスが皆無。騒々しく歩道で写真を撮る団体旅行者の姿も、見当たらない。
そこでうっかり、三越の玄関の格子扉が半分閉じているのを見て、まさかの休店?! などとビビッてしまった。実は、強風のために扉を閉じていただけだった。
店内は、マスクをかけた店員の姿ばかりが目につく。爆買いで、銀座中がお祭りみたいに湧いていたあの頃が、まるで遠い昔みたいだ。
お祭りといえば、このところ、テレビやネットのニュースで毎日、裸祭りを見ているような気がする。
日本の大地が最も冷え込むこの季節、全国各地で裸祭りが行われる。ニュースは歳時記のつもりなのかもしれないが、スイッチを入れるとかなりの頻度で、映像が目に飛び込んでくる。
例えば先週、何千人もの男衆が神男に裸で抱きついているのを見た。愛知県国府宮神社の裸祭りだった。
他にも、岡山県西粟倉村の裸。岐阜県大垣市の裸。愛知県豊田市の裸。福岡県風浪宮の裸。そうそう。小雪が舞う中、男衆の手で勇壮に担がれる本宮市の高松山観音寺の裸みこしの画像も、しっかりネットで配信されていた。
ふと思った。テンションを上げて、体温が上がると、免疫力もアップする。
もしかしたら、古来からの裸の習わしの中に、えもいわれぬウイルスのシャットアウト法や、とてつもないサバイバル術が隠されているのかもしれないと。
てことで、参加できる人は、裸祭りへGO! できない人は、手洗いうがい。あとはよく寝て、よく食べ、よく笑う。実際、特効薬のないウイルスには、今のところ、そんな当たり前の対処法しか、すべがないらしい。
=2020年2月14日掲載=