先週、セカセカと東京駅八重洲地下街を歩いていると、人だかりができていた。
見ると、各国のラグビージャージが飾られている。どこからか、ニュージーランド代表オールブラックスがいつも試合前に披露する「ハカ」の雄叫びまでが聞こえてきた。
なるほど。ラグビーW杯の開幕まで50日を切ったところで、盛り上げイベントが始まったってわけね!
すると、気持ちがいきなり共鳴。わたしのようにオッチョコな、スポーツ観戦マニアにとって、W杯はやはり特別なのである。
わたしは、父が取っていたスポーツ新聞を幼稚園の頃から愛読して育った。そのせいか、たいていのスポーツのルールや見所が身についている。体操ならばギンガー宙返りとデルチェフ宙返りの違い、陸上ならば、十種競技の種目十個を、すぐに挙げることができる。
だがラグビーだけは別。
もちろん、80年代に大ヒットしたユーミンの「ノーサイド」はすりきれるほど聞いた。何度か、お正月に秩父宮へ、大学ラグビーの決勝を見に行ったことだってある。
なのにルールは、「?」の嵐である。
「ラグビーのルールなんて簡単。ボールを前に投げないことだけさ」などと、お気楽なことをいう人もいるが、シンビンって何? なぜ、皆がワチャワチャ集まってるの? モールアンプレアブルってどういう意味? 何度観ても、謎が謎を呼ぶ、ラグビー観戦なのである。ひょっとしたら皆さんの中にも、わたしと同じような方がいらっしゃるかもしれない。
さて、そんなラグビーW杯のチケットであるが、落選を繰り返したあげく、ようやく「落選者向け特別販売」で1試合をゲット。もちろん、横浜での決勝戦や、人気の日本戦などではなく、予選。おまけに席は、スタンドの端っこだ。
とはいえ、一生に一度、日本で開催されるラグビーW杯。ルールブックに首タックル(反則です!)をかけまくる日々の始まりである。
=2019年8月9日掲載=