3月のJRダイヤ改正で、東京と新青森が2時間59分で結ばれた。主役は東北新幹線E5系「はやぶさ」である。
時速320キロというF1マシン並みのスピード。だが当面、青森方面に行く用事のないわたしは、その歴史的なニュースを上の空で聞いていた。
実はわたしは東北新幹線に極端に弱く、車内でパソコン仕事をすると百発百中酔ってしまう特異体質。
飛行機でも、東海道新幹線でも、普通にパソコンができるし、外国人が軒並み倒れた真冬の太平洋のホエールウォッチング船ですら、ピンピンしていた。なのに、東北新幹線だけがダメなのだ。
だから、先日、東京から郡山まで、仙台行きの「やまびこ」に乗ったときも、酔う前に爆睡しちゃえと思っていた。
しかし、その日の「やまびこ」は予想外に乗り心地がよかった。そこで試しにパソコンを開く。新幹線酔い、来るなら来い!である。
だが妙に集中し、気がつくと「次は郡山~郡山~」のアナウンス。肩すかしを食らった気分で下車をした。
ホームの最後尾にいた撮り鉄くんに聞くと、E5系は「はやぶさ」だけでなく、「やまびこ」にも使われているという。乗り心地いいですねぇ?と言うと、フルアクティブサスですから!と、胸を張る。かっこいい。
特異体質のわたしがモニターにふさわしいとは思わないが、思いがけなく乗ったE5系は、進化した超特急だった。そして、目的地が青森でなくても、乗れるのだった。
まずい!これからは東北新幹線でも仕事ができてしまうではないか。
=2013年5月21日掲載=