「茜浜緑地」は、昭和50年代、東京湾に作られた埋め立て地。緑に覆われた遊歩道が、ハゼ釣りや日光浴をする人たちの癒しのスポットになっている。
見晴らしは抜群。秋と冬の夕焼け時にはキラキラした「ダイヤモンド富士」が臨めるという。
さて、今週日曜日の午後、わたしはこの「茜浜」をウロウロしていた。空のF1「レッドブル・エアレース千葉2017」の決勝を「のぞき見」に行ったのだ。
会場から4キロほど離れているため、エアゲートとしてそびえ立つパイロン群は、波の向こうに小さくかすんで見えるのみ。だが、わたしの周りは、ここならただで見られると(おそらく)考える人たちで大盛況。
実をいうと昨年もわたしはこの「茜浜」に来ていた。
「ふくしまスカイパーク」を本拠地にする室屋義秀選手の雄姿をひと目見たいと思ったからだ。だが、レースの状況は全くつかめず、イヤホンを耳に入れた男性が、レース後の機影に向かってタオルを振りながら「室屋〜おめでとう!」と叫んでいる姿から、ははーんと優勝を直感した。
そんな経験から、今年は自分のスマホにインターネット・テレビをインストール。雰囲気だけ感じて、レースは手元のテレビでちゃっかり観戦。室屋選手の母国2連覇をリアルタイムで見届けた。
「のぞき見」とはいえ、「茜浜」は浦安の離着陸場とレース会場の中間地点。そのためレース前後の飛行機が放つキーンと突き抜けるようなエンジン音は、しかと!この耳で聞いた。
ということで、お金も掛けずに室屋選手を応援できて、なかなかお得な1日でした…。と、きれいにまとめたいところではあるが。
そうはいっても、しょせんは「のぞき見」なのだ。室屋選手の快挙を大騒ぎしているレース会場とは対照的に、暮れなずむ「茜浜」には、遠巻きの鈍い寂しさがにじんでいた。
=2017年6月9日掲載=