最近、ハマっているものがある。AI(人工知能)アートである。
わたしが使っているのは、ミッドジャーニーという英語のサイト。イメージを伝える文章を入力すると、わずか1分足らずで4枚もの画像を出力してくれる。
無料版でも25回まで画像作成ができるので、お試しも気軽にできる。
子供の頃から不器用で、せっかく頭の中にイメージが浮かんでも、上手に絵で表現することが苦手だったわたしにとっては、まさに夢のツール。ドラえもんなら、「お絵描きロボット!」と叫ぶところかな。ついつい時間を忘れて、画像を作りつづけてしまう。
ところが、このひみつ道具にも問題がある。使える言語は英語だけ。そこで、まず日本語で指示用の文章を作成。それを翻訳サイトで英語に変換して入力する。
ちょっと手間はかかるが、想像の上を行く画像が出てくることも(もちろん、まったくイメージに合わない画像が出てくることも)あって、結構ワクワクさせてくれる。
こんな風に素人が楽しんでいる分には罪がないと思う一方で、考えさせられる事例も起きている。
例えば今夏、アメリカ・コロラド州で開催された公募展のデジタルアート部門で1位になったのが、ミッドジャーニーを使ったAIアート作品だった。おそらく審査員は、作品の生成過程を知らなかったのだろう。
受賞者のアレン氏の目的は、賞そのものではなく、アーティストが感じている危機感を主張すること。彼は、賞のカテゴリーとして、AIアート部門を設けるべきだと提案した。
このような事件は、今後も次々に起こるだろう。チェスの世界王者がスーパーコンピューターに破れてから25年。人間とAIの関係は、そろそろ、かなりヤバい、危ない局面に差しかかりつつあるようだ。
=2022年10月28日掲載=