福島には、キビタンがいる。フラおじさんがいる。がくとくんがいる。あたまがふくしまちゃんがいる。もっといる。
「ご当地キャラ」が、日本中の都道府県、市町村、商店街を背負っている。
特に熊本のくまモンは、昨年一年間で関連グッズを三百億円も売り上げた最強キャラ。県の営業部長の肩書きに応えている。
そんななか、異彩を放つ「非公認」ゆるキャラが人気の的である。千葉県船橋市のふなっしーがそれだ。
ご当地の特産品である梨の妖精を名乗り、目を見張るジャンプ力と、切れのあるトークが持ち味。
市役所、JAなどに掛け合ったが公認をもらえなかったため、活動は無料の動画サイトや、つぶやきサイトをフル活用。
呼ばれていないイベントにも、自腹を切って勝手に参加。突撃精神で知名度を高めてきた。
「夏は、東北の復興イベントのお手伝いに行きたいなっしー!」と抱負を語るまじめなキャラ柄の持ち主でもある。そう。ふなっしーは八重の桜の登場人物と同じ「なっしー!」を語尾に付けて話すのだ。
一方、船橋市は、順序が違うふなっしーを公認するつもりはないとキッパリ。
しかし、自由でしなやかな、ふなっしーの姿からは、お金がなくても地域のみんなを楽しませたいという熱が伝わってくる。
お役所の会議室生まれではない、ゆるキャラ。ヒャッハーという奇声とともに跳べ!ふなっしー。
=2013年5月14日掲載=