今月の初め、長野で過ごしていた。何気なくテレビをつけると、何度も繰り返しサッカーの「信州ダービー」の予告が流れた。アナウンサーの口調が、なんだかすごく熱を帯びている。
そういえば、今年から「福島ダービー」も始まったのよね! どれどれ、どんな感じ? と、5月8日に行われた松本山雅対長野パルセイロの試合にチャンネルを合わせてみた。すると、公式戦は11年ぶりらしく、スタジアムは大盛り上がり。1点差の接戦で、いいもの見たぞと、ちょっと得した気分になった。
このダービーマッチっていうやつ、競馬ではなくて、同じ本拠地を持つチーム同士の対決のことだ。世界中に結構ある。有名なのは、サッカー発祥の地イングランドの「マンチェスターダービー」やイタリアの「ミラノダービー」など。
かたや、日本で熱狂的なダービーマッチといえば、「さいたまダービー」だろうか。近年は開催されていないようだが、浦和レッズと大宮アルディージャの対戦で、サッカー通の友人によると、過激な言葉の横断幕が張り巡らされ、試合中はブーイングの嵐。スタジアムはちょっと怖いくらいの雰囲気になったという。
同じ地域に2つの有力チームがあるということがすでに、そのスポーツの人気のほどを示しているわけで、距離が近い分、ますますお互いをライバル視して応援にも熱が入ろうというもの。「絶対に負けられない戦い」になるのも当然か。
福島ユナイテッドFCといわきFCがJリーグを舞台にして戦う「福島ダービー」も、おそらく、スタジアムは大興奮なのだろう。
時々、大きな会社のお家騒動が取り沙汰されるが、それって結局、兄弟げんかほど熱くなるってことだろうか。
=2022年5月27日掲載=