今月2日の未明、ベッドで寝ていると、不思議な音が聞こえた。まるで大きな太鼓がうなっているみたいな、膨張する音だった。窓の外がピカッと光った。
普段からわたしは眠りが超絶深いのであるが、それからはどうしても熟睡できず、睡眠不足で頭の中がガンガン太鼓をたたく朝を迎えた。
関東上空を、火球(かきゅう)と呼ばれる大隕石が横切っていたことを知ったのは、通勤電車の中である。ツイッターには、満月くらいに輝く火球をとらえた動画や、音を聞いたというコメントが投稿されていた。あの衝撃波はこれだったんだと、思わずガッテン!
7年前、ロシアに隕石が落ちた時は、破片が建物のガラスを割って大騒ぎ。今回その手の話は出ていないから、大気圏で燃え尽きちゃったのね〜と思っていた。
だが先週、千葉県習志野市の女性が自宅マンションで見つけた小石が、隕石の破片だったことが発表された。ある研究者はテレビで「はやぶさが持ち帰ったサンプル以上に重要かも?」と、興奮の面持ちで語っていた。
小石は、無人探査機を飛ばさずとも、向こうから地球に飛び込んで来た、小惑星の贈り物なのだそうだ。
それにしても謎めいた夜だった。そこでわたしは、いつも腕につけているスマートウォッチの睡眠記録を確認した。
すると、あの音を聞いた時は、夢うつつのレム睡眠状態だったようで、波形を見ると、そこから朝まで全く熟睡できていない。火球に反応した潜在意識は、とても眠るどころではなかったのだろう。
地球の歴史において、隕石は実は大きな役割を果たしている。6600万年前、恐竜が絶滅したのも、隕石の衝突が原因だったとする説が有力である。
ひょっとしたらわたしの潜在意識もDNAレベルで、人類の危機を感じて怖じ気づいたということ?
かくて、宇宙からの贈り物は、時々わたしたちを、思いっきりビビらせる。
=2020年7月24日掲載=