年下の友人Mちゃんとお茶を飲んでいると「ユリさん、性格何?」と聞かれた。
「A型よ」と答えたら腹をかかえて笑われた。
「エムビーティーアイですよ、ちなみにわたしは運動家です」
ソレナニ? ナニゴ?
聞けば今、「MBTI」という性格診断がZ世代の間で一世を風びしているのだとか。93個の質問に答えることで、人を16タイプに分けるのだとか。
「簡単ですよ」てなわけで、スマホ上で、じぶんの性格について飽きるほどたくさんの質問に答えたところ、わたしは「主人公」タイプなんですと。
ほかにどんなタイプがあるのか聞くと「指揮官」「仲介者」「幹部」「エンターテイナー」などなど。
どれも、とっつきにくい名称ばかりで、ちと鼻白むが、考案したのはアメリカの心理学者親子だという。
「やっぱり、昭和の昔に日本人のテレビマン、能見さん親子がブームを巻き起こした血液型診断の方が、シンプルよねえ」というと「ふん。血液型なんて、根拠ゼロですよ!」と、今度はMちゃんが鼻白む。
そういうMちゃんは、以前は「討論者」だったが、転職したら「運動家」に変わったそうだ。
「コロコロ、タイプが変わるの?」と聞くと、「人は環境の動物ですから。周りが変わると、相対的にじぶんの捉え方が変わるんです」との解説である。
帰りの電車、スマホで「主人公」の性格とやらを調べてみると「楽観主義者で人々を励ますリーダー。世のため人のためになることをすぐ実行する」とか。当たっているかも?
とはいえ、性格診断なんて、実はわたしは懐疑的。世界で唯一無二であるじぶんの性格を、16通りにパターン分けするなんて、なんか杓子定規だし。
ただ、世界の人口、81億分の1のじぶんを理解するよりは、16分の1のじぶんを理解する方が、はるかに簡単には違いない。
じぶんって確かに、世界一解きたい謎だから。
=2024年7月12日掲載=