世の中には、肩こりの人と、まったくそうでない人がいる。長い間、不思議でならなかった。
そういうわたしは、肩こりのプロ。カット終わりに肩をマッサージしようとした美容師さんが突き指してしまうほど、鋼の双肩を持ち合わせている。運動もしているのに、なぜ?それは解けない謎だった。
ところが先日、仕事で健康情報を探していると、驚きのデータに出会ってしまった。なんと、福島県は、日本一の肩こり県だというのである。
いわく、一般社団法人日本リカバリー協会が、2021年までの5年間に行った全国10万人の健康調査によると、肩こりを抱えている日本人は人口の72.5%。さらに、都道府県ランキングでは、1位が「岩手県」の75.7%、2位が「奈良県」、3位が僅差で「福島県」。
その中でも肩こりを「ほとんどいつも」自覚している人の第1位が「福島県」の18.1%。つまり福島県民は日本一、肩こりに悩まされている県民らしい。
逆からの発見もあるやも?と、都道府県ランキングを下から眺めてみる。すると、47位は「茨城県」の69.2%、46位が「沖縄県」、45位が「新潟県」。
なんと! 気温や生活習慣がさほど違わないはずのお隣の「茨城県」や「新潟県」が肩こらず県のベスト3?ますますもって深まる謎……。
よく「英語には肩こりという言葉がないので、欧米人は肩こりを感じない」などと聞く。ひょっとしたら、福島になにか肩こりを想起させる引き金があるのだろうか? そういえば、明治生まれの祖母は肩がこると「けんぴきが張った」などと言っていたけど。
福島を離れて数十年。今では部外者だが、もし故郷が日本一の称号を返上してくれたら、自分の肩こりもスカッと治りそう。そんな妄想にかられている。
=2024年4月26日掲載=