AI(人工知能)がわたしたちをおいてけぼりにしそうな勢いだ。
先月、米国で発表された対話型AIの最新モデル「GPT-4o」は、まるで人間! と、驚きの的。おやじギャグにはハハハ! と笑い、喜怒哀楽のある会話だってお茶の子サイサイ。
新しいAIは、視覚情報の解析能力にも優れていて、スマホのライブ映像を見ながら「タクシーが1台、道路の左側を走っていきます」などと、目の見えない人に情景を説明することだってできる。まるで映画で見た、未来社会だ。
…なんて書いていたら、「GPT-4o」がこの秋から、最新のアイフォンに搭載されるというニュースが飛び込んできた。AIの奴、一体どこまで行く(来る?)つもりなんだろう。
ご存知のように、新しもの好きのわたしは、3年前に画像生成AIに飛びついた。そのクオリティは、本コラムの挿絵としても折々にご覧いただいているが、控えめに言っても、すさまじい進化っぷりだ。
そんな中、台風の目になっているのが、作曲AI。わたしもハマり始めた「suno AI」などは、太っ腹なことに、毎日無料のクレジットをくれる。これを使うと誰でも1日に10曲ずつ、曲が作れる。自作の歌詞を入力し、曲調を、例えば「ジャズ、女性ボーカル」などと指示すると、数秒後には新曲が完成!
すべて、この半月ほどの間に起こった変化である。
もちろん、必ず気に入った曲ができるというわけではなく、いわば「ガチャ」の要素があるので、当たるまで何度も作り続けるしかないのは、画像生成AIも、事情は同じ。
人とAIは一体どこへ向かっているのか?
行き先表示のないバスが来たので、今はただ、飛び乗ってみようってところ。
AIは天使か、悪魔か。答えはまだ、誰にもわからない。
=2024年6月14日掲載=